メニュー

「難民のために登録してください」

[2023.10.09]

某ショッピングモールで、某団体の旗を掲げたブースがあり、募金への協力を呼びかけているようでした。母が募金でもしようと近寄ったのでちょっとまずいなと思いつつも見ていたら、募金ではなく定期サポーターになるため、団体のサイトに登録するところまでやって欲しいとのこと。

結構時間がかかりそうだったのでお断りしようとしたら、若いお姉さんが「今でも難民のいのちがどんどん奪われています!是非参加してください!」と迫ってきたわけですが、その表情がまるで「お前は可哀想な難民を見捨てて逃げるのか、日本でのうのうと暮らしやがって」という感じで、よくこのやり方で参加しようという人を集められると思うのかと呆れてしまったわけです。

指摘されるまでもなく世界には多くの難民が苦しんでいます。しかし難民の背景は多種多様、抱えている問題もそれぞれ違い、また全ての難民が善意の人という訳でもないことぐらい昨今の世界情勢を少しでも把握していれば常識でしょう。それなのに、ざっくり「難民を救って」というくくり、話が大きすぎないか

もし私が月1万円団体にお金を送ったら、それで難民問題は一方前進するするなどという自己肥大的な満足感は、今時中二病でもないでしょうか。支援というのは非常に難しいもの。専門の団体でさえ、パレスチナ難民を救うための支援がハマスに渡り、結果として無辜のイスラエル人が多数犠牲になるなどの間違いを犯す可能性があります。そもそも政治的に複雑な国だから難民問題が起きているわけで、お金を送れば解決するならこんなに楽なことはないでしょう。

世界にはは経済的に困窮している人、苦境にある人がたくさんいます。その中のどこに寄付を送るのか、についてはきちんと考えた上で、自分が納得できるものに対して行うべきであると考えています。「難民は苦しんでいるのだからお前は時間とお金をかけてうちの団体に寄付をするのは当然だ」と言われても、はあ?としか思えないわけで、あの正義感に燃えたお姉さん(その情熱自体は善だと思う)がもっと歳をとってそのことに気づくかどうか、気付かず年取っていく人もいるからなあ…と思ったある日の休日でありました。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME