メニュー

高齢者の更年期症状

[2023.07.07]

更年期障害は、閉経前後の女性、または中年期以降の男性に起きる一連の体の不調を指し、女性の場合症状としては、ほてり、発汗過多、動悸、メンタルの不調、不眠、倦怠感、関節痛などがあります。

更年期症状なので更年期の女性に特有であるかに思えますが、たまに80代ぐらいの女性でも同様の症状の方もいらっしゃいますし、かと思うと20代ぐらいの若い方に部分的に同様の症状が見られることもあります。

更年期が20代ではじまるはずもなく、80代まで続くこともないので、必ずしも更年期のみに起こる症状ではないものの、更年期の年齢に起きやすいものであると考えた方が良さそうです。

漢方で考えたときの更年期症状の原因ですぐに思いつくのは陰虚(肝腎陰虚)です。これにさまざまな病態が加わって起きている印象ですが、それは人によって、瘀血であることもありますし、肝気鬱結のこともあります。

特に最近気になっているのが、高齢者にかかるストレス→肝気鬱結のタイプです。高齢者は仕事もなく子育てもとっくに終わっているので、悠々自適に暮らしていればいいようなものですが、そうも行かないということが分かります。

最近は生活費が上がり、年金での暮らしが大変というのもあるでしょうし、そうでなかったとしても、体のあちこちが痛い、調子が悪い、配偶者が病気をして介護が必要になった、または亡くなった、自分も最近記憶が少し怪しいなど、不安になる出来事が段々と増えてきます。

それに加えて子供が仕事で忙しくあまり相手にしてくれない、友達も病気したりいなくなったりで、気軽に相談できる人が身近に居なくなってきます。加えて、訪問販売、宗教の勧誘、振り込み詐欺や強盗から我が身を守らないといけません。

ここまで来ると一番苦しい修行の坂が老年期にあるような気さえしてきます。

暮らしが色々不安になってきて誰かに頼りたい、というときに、世間からは精神的な自立を求められてしまうのが高齢者です。結果として子供や介護スタッフなどと適切な距離が取れなかったり、さまざまな心の不調に見舞われるなど、色々な問題が起きてきます。

究極的には、人は1人で世を去っていくものですが、それは非常に不安なことです。昔は宗教が拠り所になっていたのかもしれません。

今の高齢者が幸せに過ごせない原因はそれだけではないとは思いますが、発想の転換はここでも必要と考えています

✳︎できるだけ綺麗なもの、好きなものに囲まれて過ごす

✳︎草や花、植物、旅行先の景色や土地の力など、自然により触れる機会を増やす

✳︎変わらなさそうなものには期待しない

✳︎歳をとってもおしゃれをするなど身なりに気を使う

✳︎体の不調に囚われすぎずうまく付き合う

✳︎世代の違う人とも付き合う

✳︎テレビのニュースを見過ぎない。特にコロナ禍で(テレビが視聴率稼ぎで連発した)感染の不安を煽る系番組の負の影響はかなりあったと見ています。報告では、テレビを見ている時間の長い人は鬱傾向が強いなどのものがありますが、テレビの内容まで踏み込んだ研究はあまりありませんでした。今テレビのニュースを見ても、いいニュースがほとんどありません。ウクライナ戦争も強盗も政治家の暗殺も、若い人の将来には影響あるものかも知れませんが、高齢者の生活にほとんど関係ないので無理に見なくていいと思います。あえて見るのであれば討論番組など、事件について深く知るようなものが良いでしぃう。

✳︎昔のこと、過去のことを思い出し、話したりして少しずつ手放していく。

✳︎運動を習慣にする。

「老後の幸せな暮らし」と言われて、郊外の一軒家で、自給自足して、猫と暮らして、たまにはお買い物や旅行に行って、などは漠然とイメージできても、そこでの人生観や哲学について考えることは、若い頃には難しいと思います。

そしていざ老後になると不条理なことばかり。ここをどう乗り越えていくのか。1人で乗り越えられる人もいるにはいるでしょうが、結構根の深い問題ではないかと考えています。

これから高齢者社会が進行するにつれてマンパワーも必要になりそうな所でもあるでしょう。一つ言えるのは、世の中忙しい人だけでなく、暇な人もそれはそれで必要なのだ、ということぐらいでしょうか。

更年期症状からえらく話が飛んでしまいましたが、漢方以前にこのストレス問題に対処しないと根本的な解決が難しく、こういう話になってしまいました。陰虚に対する治療も、それはそれで、とても良いものではあるとは思っていますが。

 

 

 

 

 

 

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME